大丈夫?船底塗料の選び方【PART2】-塗料の使用量
2015年02月05日 (木) [メンテナンス]
ボートを所有する方々は これからのシーズンインに向けて船底の塗り直しの時期に迫っているかと思いますが、そこで注意しなくてはいけない船底塗料の選び方について数パートに分けてご紹介いたします。
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【PART1】-旧塗膜との相性
船底塗料は水棲生物を付きにくくするために塗膜が溶けたり・削れたりすることで防汚効果が発揮する自己研磨型がほとんどです。そのため塗料を厚く塗るほど防汚効果は長続きし、メーカーからはそのまま刷毛塗りでお使いできる適正な濃度で製造されています。塗り面積を広げる目的のためのシンナー希釈は本来の防汚効果を弱めてしまうため塗装に必要な量はしっかりと把握し、そのすべてを使い切るようにしましょう。
ただ、冬の寒い時期には塗料が重たくなり、刷毛目の模様が出るなど作業性が悪くなることがあります。その場合、シンナーで希釈することで作業性が改善されますが、シンナーは入れ過ぎないように希釈する際には少量ずつ粘度を確かめながら使用しましょう。
船底部面積の計算
塗料の使用量を調べる前に、まずはボートの船底部の塗装面積を知らなくてはなりません。
塗装面積は下記の計算方式になります。ご参考ください。
<パワーボートの場合> | <セールボートの場合> |
水線長×(吃水+全幅)=船底部面積 |
水線長×(吃水+全幅)×(※0.5~0.75)=船底部面積 |
※セールボートはメーカーやデザインによって異なります。
使用量の計算 中国塗料、ヤマハ(2回塗り)
船底部面積 ÷ キロ(もしくはリッター)あたりの塗布面積 × 2 = 使用量 WAKOエコペイント(1回塗り)
船底部面積 ÷ キロあたりの塗布面積 = 使用量 ※WAKOエコペイントは1回塗りが標準ですが、貝類の付着しやすいバウ(おもて)、トランサム(とも)、チャイン、キール部分は2回塗りを行うと良いとメーカーから推奨しています。
計算で出された使用量より+αの分量をご準備すると良いでしょう。 |
計算の実例1:
船体データ:パワーボート29ft(全長8.78m 吃水0.71m 全幅3.05m) 船底部面積:8.78m×(0.71m+3.05m) = 約33㎡ |
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塗料種類 | 塗布面積(刷毛) | 算出方法 | 缶数 |
シージェット033 | 7㎡/L | 33㎡ ÷ 7㎡/L × 2 = 9.42L | 5缶(10L) |
シージェット034 | 6.8㎡/L | 33㎡ ÷ 6.8㎡/L × 2 = 9.70L | 5缶(10L) |
ワコーペイントII WAKOECOα |
5.83㎡/kg | 1回塗り 33㎡ ÷ 5.83㎡/kg = 5.6kg |
2缶(8kg) |
パワープロテクター青 | 5.5㎡/kg | 33㎡ ÷ 5.5㎡/kg × 2 = 12kg | 4kg缶×3缶(12kg) |
計算の実例2:
船体データ:セールボート25ft(全長7.62m 吃水1.71m 全幅3.35m) 船底部面積: 7.62m×(1.71m+3.35m) ×0.5 = 約19.3㎡ |
|||
塗料種類 | 塗布面積(刷毛) | 算出方法 | 缶数 |
シージェット033 | 7㎡/L | 19.3㎡ ÷ 7㎡/ L × 2 = 5.51L | 3缶(6L) |
シージェット034 | 6.8㎡/L | 19.3㎡ ÷ 6.8㎡/L × 2 = 5.67L | 3缶(6L) |
ワコーペイントII WAKOECOα |
5.83㎡/kg | 1回塗り 19.3㎡ ÷ 5.83㎡/kg = 3.31kg |
1缶(4kg) |
パワープロテクター青 | 5.5㎡/kg | 19.3㎡ ÷ 5.5㎡/kg × 2 = 7.01kg | 4kg缶×2缶(8kg) |
<参考データ> 船底塗料を製造する各メーカーから出された平均使用量を下表へ抜粋しました。 ■中国塗料SEAJET(シージェット) ボートサイズ別使用量目安
パワーボート
単位:リットル
セールボート
単位:リットル
■WAKOエコペイント ボートサイズ別使用量目安
注)船体の形状や仕様によって目安の数値に誤差が出る可能性があります。 ■ヤマハ パワープロテクター ボートサイズ別 使用量目安
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・船底塗料の塗り替えを経験していくうちに貝類などの水棲生物が付着しやすい場所が分かってくるかと思います、その様な場所には塗料を厚めに塗ると水棲生物が付着しにくくなるためオススメします。
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