船底塗料シージェット033プレミアム[性能実験]

2024年09月10日 (火) [メンテナンス]

安定した防汚性能により船底塗料の定番として、当店でも多くの方にご愛顧いただいている Seajet(シージェット) 033！
3年程前に、その「シージェット033」から防汚性能を更に強化したプレミアムグレードが新たに発売されました。

その名も「シージェット033 プレミアム」

このシージェット033プレミアムのどこが凄いのかと言いますと、耐フジツボ性能が大幅にアップしました！
何故、耐フジツボ性能がアップしたのか。
これまでの防汚剤とは違う分野(トラやライオンなどの動物用の麻酔薬)である製薬技術を応用して開発された「selektope®(セレクトープ)」を採用しているからです。

セレクトープは、防汚剤として使用した場合フジツボの着床を妨げる効果を発揮します。
セレクトープの性能の高さは、大型商船や漁船の分野で高い評価を得ており、2019年には内航船用防汚塗料で、「日経優秀製品・サービス賞」において最優秀賞日経産業新聞賞を受賞しています。
また、メーカーでは海中生物の付着が深刻な東京湾にて実地テストを行ったようです。
その調査結果が下記のデータとなりますが、評判通りフジツボが全く付着していません！

これだけでも十分凄さがわかりますが、その他の場所ではどうかと言いますと、参考になるデータがありません。
そこで、先日2024年2月中旬に蒲郡市西浦町の三河湾にて、当店独自で実験を開始しました。

場所はこちら↓

今回の実験は、シージェット033プレミアムと従来品のシージェット033との比較をします。
さらに、船底保護添加剤のフジツボガードも試します。

実験方法は、船底を4分割にして下記4パターンを塗装して比較します。
①左舷前方：シージェット033プレミアム(フジツボガード無し)
②左舷後方：シージェット033(フジツボガード無し)
③右舷前方：シージェット033プレミアム(フジツボガード入り)
④右舷後方：シージェット033(フジツボガード入り)

今回塗装したカラーは、どちらもシャークホワイトです。

2024年9月上旬、実験開始から7カ月が経ちましたので、一度上架した状況をご覧ください。
赤いラインは、区切り線となりますので、比較対象外の部分となります。

いかがでしょうか？
7カ月も経過すると植物性の藻類が全体的に付着していますね、
また、波打ち際や水流が起きやすい場所を中心にフジツボがぽつぽつと付着しているといった所です。

次にシージェット033とシージェット033プレミアムの比較のために画像順番を並べ替えをしてみました。

どうでしょう？シージェット033プレミアの方がシージェット033に比べてフジツボの付きが少ないように見えませんか？
シージェット033プレミアムが耐フジツボ性能に更に強化されているのは確かだと言えますね。
これが1年経過したときには、どのような状況になっているのか、改めてこのブログに追記をしていきます。是非ご期待ください！

ちなみに、実験したボートの隣に別のボートが上架されていました。

このボートは、2023年8下旬頃シージェット033で塗装して、2024年7月中旬頃に上架した際の船底の状況です。
びっしりとフジツボが付着しています。
実験艇もここまでフジツボが付着するのかそれとも・・・？