名古屋のエジソン
2011年04月29日 (金) [プロペラ, 船外機/エレキモーター]
トヨタ自動車のおひざ元の愛知には、
自動車産業を支えるものづくりの土壌があります。
昨日、ちょっとしたご縁で、名古屋に住むモノづくりの職人さんとお会いする機会がありました。
何でも自分で作ってしまう発明家ということで、
「名古屋のエジソン」と名付けてみました。
そもそも自動車屋さんの名古屋のエジソンは、
機械が大好きで、
趣味のボートにかなりの時間とお金を費やしています。
なんとも豪快な道楽?に魅かれてしまいました。
職人の回りには、職人が集まるものです。
その人脈も相当なものだと思いますが、
自分の設計で50フィートクラスのボートをも製造してしまうそうです。
そんなに簡単にボートって造れるものかって思うほど、簡単に話してくれました。
今日はちょっとおもしろいものを紹介します。
名古屋のエジソンの作品です。
こちらです。
ちょっと写真が分かりにくいですね。
ボートの後部に船外機が装着されています。
作品は、ボートに船外機を装着するモーターブラケットというものです。
このボートはヤマハのPC26で、
そもそもマークルーザー2基掛けのボートでしたが、
不幸にもエンジンが壊れてしまって換装には600万円以上もかかるそうです。
そこで、費用の安い船外機に換装することに。
オーナーはエジソンに相談しました。
そしてエジソンは、このモーターブラケットを開発しました。
このモーターブラケットには、こんなにスゴイメリットがあるそうです。
1.ボートのスピードアップ
通常のボートブラケットは、チルトアップさせるためにボートとエンジンの間に空間を設ける必要があります。しかし、エンジンがボートから離れると推進効率が下がってスピードが出ません。そこで油圧式でエレベーターのように上下させる構造を採用し、ボートに密着させることを実現しました。その密着度は画像からも分かると思います。
2.浅瀬での走行性能アップ
浅瀬では、船外機をややチルトアップして走行することがあります。もちろんプロペラの方向が下向きになりますので推進効率が格段に低下します。ところがこのエレベータ式であれば水平に上下してプロペラの方向が変わらないため推進効率の低下を最小限に抑えることができます。
3.プロペラのメンテナンス
船外機をチルトアップするとプロペラは、はるか後方に行ってしまいます。しかしエレベータ式なので、トランサムステップに乗れば、ペラは目の前にあります。プロペラに絡まった糸を取ったり、プロペラの交換などが係留した状態で行えます。
なるほど、これはよく考えたものだと思いました。
そして、すごいのは現実にモノを作って装着していることです。
防水性、耐久性、強度などもすべて理屈や計算によって裏付けられているそうです。
他にもいっぱい作品はありますし、
アイデアもいっぱいあるそうです。
昭和18年生まれのエジソンは、
いまだ遊びに夢中といった印象を受けました。
知る人ぞ知る有名な人みたいなので、
これだけで、どなたか分かる人がいるかも知れませんね。
とにかく
うらやましくなるほど楽しそうに話をしてくれました。
by店長壁谷