ヤマハ50~115馬力のプロペラに異変?それにはヤマハの裏事情(?)が
2017年06月20日 (火) [プロペラ]
今回マニアックなネタになってしまいますが、
ヤマハ船外機の50~115馬力で使うプロペラでおかしな品番変更がされていたので報告。
問題があったのはヤマハ3ブレードプロペラ【68V-45941-01】(3 × 13-1/2 × 17 アルミ [カップ付き])、
それが品番変更されて
3ブレードプロペラ【6EK-45947-00】(3 × 13-1/2 × 14 アルミ [カップ付き])に変わりました。
船外機プロペラについて少しでも覚えのある方なら
17ピッチが14ピッチになったこの異変に気付かれたかと思います。
ピッチというのはプロペラが1回転で進むことのできる理論的距離をインチで表したものです。
また、それと同時にプロペラを交換するうえで、重要な目安の一つにもなっています。
ここで詳しく書いてしまうと大きく脱線しますので割愛しますが、例え品番変更になったとしても
17ピッチなら変更後も17ピッチになるべきだと思います・・・なぜこうなった・・・?
それに、Y’S GEAR(ワイズギア)2017のカタログを見ると・・・
17ピッチってなってるじゃないかっ!!
ますます分からなくなってきたので、メーカーに直接聞いてみました。
そうしたところ、思いがけないことが判明しました。
そもそもカップというのは、プロペラが回転することで水がブレードの表面を伝って送り出され、
最後に水が離れていく箇所に設けられた返し状の構造のこと。ただ標準プロペラにも緩くながらも
カップというのは付いています。
ここで言う[カップ付き]とはその返し構造をきつくして、水をよりしっかりと掴むよう設計された
重荷ボート用として作られたプロペラです。
ただそうなれば当然、多くの水を掴む=エンジンへの負荷が高まるわけです。
標準プロペラから同じピッチの[カップ付き]にした場合、エンジンに負荷がかかって、
場合によってはエンジン回転数の低下(オーバーロード状態)の原因になり、オーバーヒートや
エンジンの寿命を早めてしまいます。
ヤマハはそうした観点から、標準の17ピッチプロペラと同等のエンジン回転数となるように
実際には14ピッチだけど17ピッチと呼称して取り扱うようにしたのが旧品番のプロペラです。
ただ、そんなことして知らない人からすると「17ピッチなのにすごい遅いんだけど?」、
「スリップ率が高くて使えない!」って言われそうですね。
実際にそう言われたから直したのかもしれません。(笑)
というわけで、17ピッチから14ピッチに変わったというより、品番変更のタイミングで
呼称ピッチから本来の実ピッチに戻したことが今回分かりました。
すっきり(?)したとこで、最後に標準(スタンダード)から互換の目安表を残して終わります。
全く・・コレ知ってなければ販売できないじゃないか!!
今回ご紹介したプロペラはこちら。
上記の互換表も追加しましたので、こちらからも見れますよ!
ヤマハ プロペラ (AL 3X13-1/2X14-K)
SDS(シフトダンプナーシステム)は、今回のカップとは全く関係ないものですが
説明できるほど知識が無いので触れません(汗) 機会があれば説明できるほど勉強した
後にブログに書きますね!
カメラ撮影として最も難しい、ホタルの撮影に挑戦してきました。
・・・もっと精進します。
プロペラ担当:仲村渠(ナカンダカリ)
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